日本語入力プログラム、何を使ってますか?
ども!あき山です。
ふつうは、Windowsだと「Microsoft IME」、Macだと「日本語入力プログラム(旧称:ことえり)」だと思います。
しかし、最初から使えるこれらの日本語入力システムはちょっと使いにくいんですよね。
私は長年Windowsを使っているのですが、Microsoft IMEは誤変換が多いです。しかももう一度打ち直すと正しく表示されたりして、今の誤変換は何だったんだよ!とストレスがたまります。
こういう誤変換って1つずつ見れば取るに足らないことなんですが、長時間文字を入力している場合などは作業効率に大きく影響してきますね。
そこで、今回は私自身も使っていて、日本語入力システムの不満を解消できる「ATOK」についてお話しします。
ATOKとは?
「ATOK」(エイトック)とは、株式会社ジャストシステムが販売している、有料の日本語入力システムのことです。
ATOKの歴史は古く、1985年にPC-9801版「jX-WORD太郎」が発売された時に、「ATOK3」という名称が使われたそうです。
それから今日に至るまで日本語入力システムのトップを走っており、息の長いソフトウェアです。
2つの販売形態
現在(2018/04/20)、ATOKの販売形態としては2通りあります。
買い切りタイプ
買い切りタイプには、Windows版、Mac版、Android版、iOS版などがあります。
左がATOK for Android、右がATOK for iOSです。
買い切りタイプのメリットとしては、最初にアプリを買うと、以降は課金なしで使い続けることができます。
一方、デメリットとしては、新しいアプリが販売された場合、新しいアプリを使うには買い直す必要があります。
また、気になる複数端末での同時使用についてですが、ジャストシステムの公式ページには、以下のような記述があります。
また、2017年12月に、ジャストシステムは、ATOKの提供方法をATOK Passportに統一すると発表しました。これにより、Windows版とMac版のパッケージ販売は終了すると思われます。つまり、買い切りタイプはこれから廃止されていくってことでしょうね。
月額利用タイプ
2008年から始まった「ATOK定額制サービス」は、2011年から「ATOK Passport」というサービスになりました。
ATOK Passportでは、月々286円(または476円)を支払うことで、ATOKを使えるようになります。
利用時には、ライセンス情報などをネットワークを介してやりとりするために、インターネット接続環境が必須になります。
また、気になる複数端末での同時使用についてですが、ジャストシステムの公式ページには以下のような記述があります。
ATOK Passportは、ご契約のお客様のみが使用する端末(機器)の場合、同時に使用しないという条件で、Windows、Mac、Android端末10台まで導入できます。
出典 ATOK 2017 for WindowsとATOK Passportの相違点
なぜ「ATOK Passportで利用で導入可能な端末にiOSが入っていないのか?」という疑問がわきますが、これについては公式ページに以下のような記述があります。
現時点では、ATOK Passportには対応していません。iOSアプリはiTunes Store外での決済が認められていないため、ATOK for iOSをATOK Passportの対象にすることが難しい状況です。
月々の料金を支払うことで利用できるアプリは、サブスクリプションなどと呼ばれ、この頃ずいぶん増えてきましたが、一度もそういう契約をしたことない人はもしかしたら気後れするかもしれませんね。
もし使うのを辞めたい場合は利用を終了すれば済むのですが、うっかり忘れてしまうと使ってないのに永遠に契約料を支払うことになります。どうしても気になる人は、定期的にクレジットカードの明細を見るようにしましょう。
2つの販売形態について個人的な結論
月々286円支払ってATOK Passportに登録した場合、この支払額がATOK for Windows(Mac)の購入価格(約8000円)を越えるのに、約28ヶ月(2.3年)かかります。
逆に言うと、ATOK for Windows(Mac)を買った場合、2.3年が経過すると元を取れるといった感じですね。
これをどう捉えるかなんですが、個人的には、常に最新のATOKを使えて、Windows, Mac, Androidで複数台インストール可能な月額利用タイプの「ATOK Passport」の方がお得だと思います。
また、上でも書いたようにパッケージ版の販売は終了するとのことなので、今後はATOKを使うならATOK Passportということになります。
ATOK PASSPORTの2つの仕様の違い
では、ATOK Passportに絞って、見ていきましょう。
ATOK Passportには2種類あります。プレミアムとベーシックですね。
以下に公式ページから読み取れる内容をまとめてみました。
機能 | ATOK PASSPORT 476円/月(税別) | ATOK PASSPORT 286円/月(税別) |
Windows, Mac, Android | ○ | ○ |
iOS | 別途購入要 | 別途購入要 |
辞書など | ○ | × |
デバイス間の単語同期 | ○ | ○ |
クラウド文章校正 | ○ | × |
最新キーワード配信 | ○ | ○ |
Windows, Mac, Androidで使えるのになぜiOSでは使えないのか?については、上のほうで公式ページを引用して説明した通りです。
この表を見てもわかるように、ベーシック(286円/月)であっても十分な機能があり一般的な使用においては全く問題ないです。どうしても辞書が使いたい人だけプレミアムを契約すればよいと思います。
ちなみに、私は通常ライセンスを契約してますが、全く不便を感じたことはないです。
また、ATOKをWindowsで使う場合、こんな2018年2月のアップデートからこんな機能が盛り込まれたとのことです。これは期待できそうです。
AI(人工知能)技術ディープラーニングを取り入れ、誤変換を大幅に削減したATOKディープコアエンジンに、入力ミスの修復率を35%向上する「ATOKディープコレクト」が新搭載。さらに、自分の入力ミスや癖を視覚的に確認できる「ATOKマンスリーレポート」が加わり、入力時も入力後も万全にサポートします。
使用感など
誤変換が少なく、推測が優秀
ATOK Passportの契約をしてから、かれこれ2年近く経ちますが、本当にいいですね。
まず、誤変換が少ない。これは長時間文字を入力するうえではとても重要です。
仕事でもプライベートでも毎日使っていて、もはや空気のような存在になっているので普段意識することはないですが、やはり変換精度が高いというのはありがたいことです。
また、推測機能も優秀で、直近の入力を学習して推測候補がブラッシュアップされていきます。よく入力する内容が、ますますスムーズに入力できる感じです。
動作の重さは感じない
ATOKは様々な機能を備えているので、動作の重さが気になるところです。
普段私がよく使う「Core2Duo、メモリ4GB」のパソコンでも軽快に動作しています。おそらくこのぐらいのスペックであれば問題なく動作すると思います。
セキュリティについて
何年か前に、中国の検索大手企業Baiduによる日本語入力システムの問題が報じられました。
PC向けの「Baidu IME」とAndroid向けの「Simeji」という日本語入力システムで、ユーザが意図しないところで入力内容を外部へ送信していた、というものです。
参考 日本語変換IMEデータ問題、なぜ“衝撃的”事件に?影落とす黒い過去、被害回避法を整理
そういった不正なアプリを作るのは技術的には難しくはないでしょう。アプリを作成している会社であれば容易にできるはずです。
これに対して、ATOKを提供しているジャストシステムは日本の上場企業です。日本の会社であれば、日本で培われた信頼の上で事業活動を行ってます。そういう意味では、純国産のATOKの方がはるかに信頼できると言えそうです。
管理画面
2018年2月にアップデートされ、ユーザーのページからインストール状況やアップデート適用状況が見れるようになりました。
上の画面を見ると、Android端末1台とWindows端末4台でATOK Passportが動作していることがわかり、全端末のプログラムが最新であることがわかります。
また、インストールの項目を開くと、インストーラーをダウンロードするためのリンクが記載されており、すぐにダウンロードを開始できます。(昔はこれがなくて探すのが一苦労でした)
こんな感じで、管理画面はとても見やすくて使いやすいです。
ATOKマンスリーレポート
2018年2月からの新機能で、Windowsの場合「ATOKマンスリーレポート」という機能を使えます。月ごとに、キータイプの効率、タイプミスの傾向、入力文の傾向などを見ることができます。
以下は、私の2018年4月分の結果です。
(4月から統計を取り始めたので現時点で4月分のみです)
↑結構たくさん文字を打ってますね。
↑「U」と「N」のミスが多いというのは意外でした。自分では気付いてないです。
↑「R」が入ってくると順序を間違えるとか、「I」の打ち間違いが多いというのも、自分では全然気付いてなかったです。
↑「一文の文字数」と「句読点までの文字数」が平均よりも少ないようですね。これは敢えて意識してそう入力しているので予想通りというところです。
こんな感じで、ATOKマンスリーレポートを使うと、1ヶ月の自分の入力の質を振り返ることができるのも面白いですね。
まとめ
とにかく空気のように気付かないところで使い勝手を向上させてくれるので、間違いなく日本語入力システムの不満は解消されると思います。
特に、仕事などで長時間文字を打つ人は、ほとんど必須と言えるのではないでしょうか。
ATOKのためのこんな本もあるようです。
ではまた!