
病院に行って調べてもらいました
私は昔から寝付きが悪く、朝起きたときに爽快な気分になることがほぼ無いです。30代半ばぐらいからは「いびき」が大きくなったせいか睡眠が浅くなり、数年前からは寝るときに肩がダルくてますます寝付きが悪くなり、そのせいで昼間に強い眠気を感じることが多くなりました。しかも、40代も半分を過ぎてますますその傾向が強くなってきました。
で、ふと思い立ったんですよね。これ「睡眠時無呼吸症候群」じゃねえか?と。
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まる病気のことで、Sleep Apnea Syndromeの頭文字を取ってSAS(サス)と呼ばれたりもします。生まれつきの気道の形状や、肥満による喉まわりの肥大化などで、気道が閉じることが原因とされています。酷い場合には、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などを引き起こします。また車などを運転する人は眠気のせいで事故を起こす可能性があります。
治療には、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:シーパップ)と呼ばれる方法が有名で、これは寝ている間に気道に空気を送り続けて気道が閉じないようにする治療方法です。睡眠時無呼吸症候群が酷い人にCPAPの装置を使うと、使ったその日から睡眠が深くなり、朝起きたとき驚くほど爽快になり、昼間の眠気も一気になくなるそうです。
睡眠時無呼吸症候群の知識をネットで仕入れてまず思ったのは、そんなに劇的に回復するなら俺も体験してみたい!でした。もし自分が睡眠時無呼吸症候群で、しかも治療が効けば、今までのあの朝の不快さや昼間のけだるさから解放される!これは病院に行くしかない!と。
というわけで実際に病院に行ってきました。今回はそのときのことや治療のことについてお話しします。
かかった病院
私が行った病院は、兵庫県の呼吸器系のクリニックでした。
ここは睡眠時無呼吸症候群のための検査入院もできるクリニックで、当日私が行ったときも、体の大きい男性が何人かいたので、人気のクリニックなのかもしれません。
診察の流れ
診察の流れを図で表すとこんな感じです。

以下、この流れについてざっと説明してみます。
初診
初診では先生と向かい合って睡眠時無呼吸症候群についての説明などを受けました。印刷したスライドを見ながら早口の説明を受けたんですが、たぶん同じような説明を毎回繰り返してるんだろうなぁ、この仕事面白くなさそうなだな、などとぼんやり考えてました。(失礼)
睡眠時無呼吸症候群の説明が終わると、じゃあ簡易検査をやりましょうという流れに。寝ているときの呼吸の状態を調べないことには他に何もやることがないので、さっそく簡易検査装置を借りて自宅で簡易検査をすることになりました。
簡易検査装置の使い方については、技師の女性の人がひと通り(念入りに)説明してくれました。なんでこんなに念入りなのかというと、実際、動作していると思って寝たら全く動作していなかったというケースがあるそうです。その場合、装置を返却してデータを確認して初めて正常に取れてなかったことがわかるので、その後もう一度装置を借りて全部やり直し…という手順になるので、死ぬほど面倒臭い作業になるからです。
とりあえずクリニックで借りた簡易検査装置を片手に「やってやるぜ!待ってろよ睡眠時無呼吸症候群め!」という気持ちになって自宅へと帰りました。
その晩の測定
そろそろ寝ようかというタイミングで、説明を受けたとおりに装置を装着しました。

おじさんの顔は見苦しいので全面的に隠しています。あとTシャツは、からめるさん(twitter)のオリジナルTシャツです。(わざわざこのTシャツに着替えた)
装置本体は胴体に巻き付けます。鼻の呼吸を調べる管を鼻に挿入して両端をテープで止め、指には酸素飽和度を調べるためのクリップを装着します。
こんな感じで一晩寝て、睡眠時の状態(呼吸と酸素飽和度)を調べました。
簡易検査装置の返却
簡易検査装置の数が限られてるとかで、なるべく早く返却してくださいと言われていたので、検査した翌日(診察の翌日)に返却することにしました。職場のすぐ近くなので、昼休みに徒歩で返しに行きました。どうか無事にデータが取れてますように。。。(無事取れてたようです)
2回目の診察
簡易検査装置を返却して1週間後ぐらいに2回目の診察がありました。ここで、装置から取り出したデータの分析結果の説明を受けました。

結論から言うと、上の報告書に示すように、私の睡眠時無呼吸症候群は「中等症」でした。無呼吸低呼吸指数(AHI)が22.6なので、中等症のほぼ中央ぐらいです。
実際にはシロ(睡眠時無呼吸症候群ではない)という結果を予想してたんだけど、ガッツリ中程度でした。まじか~って感じです。でも中等症ぐらいなら、この後の回復によっては「スッキリ眠気なし!」みたいな爽快感を味わえるんじゃ?という期待も膨らみます。

細かい数値はこんな感じ。中央にある「無呼吸+低呼吸」の項目を見ると、無呼吸+低呼吸の回数が一晩で208回あるとのこと。まぁまぁ酷い感じです。。。

実際のデータの一部はこんな感じ。上から鼻、胸、酸素飽和度です。中央のピンク色で囲った部分を見ると、鼻呼吸が20秒ほぼ止まっているのがわかります。そのタイミングで酸素飽和度も下がってます。これは睡眠の質悪いですな。。。
治療方法の提案
ここまでの説明を先生から受けて、先生から提案された方法は以下の2通り。
1つ目のマウスピースは、上下の歯を固定することで下顎が下がるのを防ぐために使います。下顎が下がると、気道が塞がれるため呼吸の質が下がるからです。こちらはCPAPを導入するほどではないけど、簡易的に無呼吸+低呼吸を防ぐというもの。
2つ目は、CPAP。こちらはガチで無呼吸がシャレにならない人(重症の人)が使うものです。

CPAPはこんな感じで空気を送ることで気道を確保するというものです。先生が言うには、中等症なのですぐにCPAPを導入するほどではないけど、導入に向かって進んでもよいとの見解でした。
実際CPAPを導入するとなると、症状にかかわらず一晩の検査入院が必要らしいです。(医療的に決まっているそうです)
ちなみに、今回は2通りの対処を示されましたが、簡易検査後の対処方法としては他にも色々あるようです。(下図)

CPAPは検査入院が必要で面倒そうだし、そもそも中等症でそこまで必要かなという気もあり、今回私はマウスピースを選択しました。
マウスピースを作る
マウスピースはこのクリニックで作ってくれるわけではなく、かかり付けの歯科で作って下さいとのこと。また、どの歯医者でも作れるわけではないので、念のため確認取って下さいとのこと。その際に歯医者に渡すための紹介状を渡されました。すげー紹介状だ、かっこいい!
私が普段かかっている歯科で作れるとのことだったので、型取りをして作ってもらいました。
そして完成したマウスピースがこちら。

おじさんが使ってるマウスピースは誰も見たくないと思うので絵で説明しますと、こんな感じで上下の歯に噛み合わされる2枚のマウスピースがあり、それが接合した形をしています。歯ぎしり防止のマウスピースだと片側だけだったりするんですが、今回の目的は下顎が落ち込まないようにするためなので、上下にマウスピースが必要なわけです。
そして、下側のマウスピースが少し前に出っ張るようになっています。これで、下顎が落ち込みにくくなるので、気道が確保されやすくなります。
実際にはめてみたところ、上下のマウスピースの舌側部分(内側部分)がわりと出っ張っていて、軽くえづき感があります。まぁ本当にえづくほどではないので耐えられるけど、これ本当に一晩付けられるかなぁというのが最初の感想です。
で実際に一晩寝てみたところ、確かに装着直後は軽いえづき感覚はあるものの、寝始めると意外とそうでもないです。歯ががっちり押さえられていて歯ぎしりも防げるので悪くないです。
改善した?
マウスピースを付けて一晩明けた最初の朝、ぐっすり寝られたのかどうかよく考えてみたんですが、確かによく寝れたような気はするものの、CPAPを付けた人がよく言う「感動した!」みたいなのはなかったです。まぁちょっとは良くなかったかもしれないけど、もしかしたら気のせいかもしれない、という感じでした。
そして、これを書いている時点でマウスピースを最初に装着してから1ヶ月ほど経過しましたが、朝の爽快感と昼間の眠気の少なさが劇的に改善されたかというと。。。
よくわからない。。。
もしかしたら体にとって良い変化があるのかもしれないですが、意識できるレベルで改善したかというと、残念ながらほぼないですね。
なんというかちょっと残念なオチではあるけど、こういうケースもあるってことで今後診察を受ける人の参考になれば。。。
まとめ
というわけで、睡眠時無呼吸症候群について診察を受けてマウスピースを作ってみた話でした。
マウスピースのほうは今でも毎晩装着して寝ています。上でも書いたように、もしかしたら無意識のレベルで快方に向かっているかもしれないので、最低でも半年ぐらいは続けてみようと思います。
2回目の診察で先生は「マウスピースを作ってみた後やっぱりCPAPのための入院検査を受けたいということならまた来て下さい」と言っていたので、やっぱり睡眠の質が気になるという場合にはまた診察を受けてみようと思います。
ではまた!