
じわっと来る
「葬送(そうそう)のフリーレン」という漫画をご存知でしょうか?
私はつい最近読んだのですが、久々にじんわり来る漫画の面白さを味わいました。
今回は「葬送のフリーレン」がどんな内容の漫画なのか、どういうところが面白かったのかを話したいと思います。
作品情報
連載・既刊
「葬送のフリーレン」は、週刊少年サンデーに連載中の漫画で、原作は山田鐘人さん、作画はアベツカサさんです。現在4巻まで発売されています。
私は後で知ったのですが、これ「週刊」のしかも「少年サンデー」なんですよね。物語の雰囲気から青年誌かと思ってたのでかなり意外でした。
マンガ大賞2021の大賞受賞

「葬送のフリーレン」は2021年3月16日に発表された「2021年マンガ大賞」で、堂々の大賞を受賞しました。
獲得ポイントが91ポイントだったので、2位の67ポイントに対して24ポイントもの差を開けてダントツの1位でした。
2021年マンガ大賞の作品をずらっと並べるとこんな感じです。
このラインナップを見るとかなり濃い漫画揃いで、人によっては合わないこともありそうですが、その中でも「葬送のフリーレン」は内容的にも絵柄的にもスタイリッシュで、万人にオススメできる漫画です。
あらすじ(ほぼネタバレなし)
主人公は、齢1000年とも言われるエルフの魔法使い「フリーレン」。見た目は背が低くてツインテールをしているが、エルフらしく耳が長くて鋭い目が特徴。
フリーレンの魔法の腕は超一流。太古の昔の伝説の魔法使いとの関係もあるとか。使い所のわからない魔法書を集めるのが趣味で、朝が弱くて、ちょっとだらしないところがある。長い間生きているせいもあって人間とは価値観が少し違っていて、他人の感情もよくわからない。
そんなフリーレンは、魔王を討伐した勇者パーティーに10年在籍した。物語は魔王討伐が終わったところから始まる。
討伐が終わって1人旅をすることを決意したフリーレンは、きままな旅をしながら、かつての仲間達と時々顔を合わせることで少しずつ相手の感情や自分の感情を知っていく。特に勇者ヒンメルの言葉を何度も回想して、その度に何かを学んでいく。
勇者ヒンメルの死後、フリーレンは、かつての仲間だった僧侶ハイターにフェルンという魔法使い見習いの女の子を預けられる。フリーレンが感情の起伏が少なめなのに対し、フェルンは世話焼きで感情も豊か。フリーレンはフェルンと共に旅を続け、さらに色々な仲間達と出会っていく。
個人的な感想
第1印象
この物語のユニークなところは、「魔王討伐後のメンバーの心の交流」を描いているところですね。それだけで読んでみたくなってAmazonで1巻をポチッた記憶があります。
第1印象としては、まず独特のテンポ感(コマ割り)だなと思いました。台詞なしの状況だけを表すコマが続いたりして、のんびりした空気を感じることができます。例えるなら「ふらいんぐうぃっち」に似てるかも。このゆったりとした空気感、自分は結構好きです。
少年誌というと、熱い感情のぶつけ合いや構図的にめまぐるしくカメラ視点が変わるものが多いですが、フリーレンがマイペースなこととカメラ視点が極めてシンプルなことが、物語の穏やかさを演出してるような気がします。でも、物語自体がしっかりしてるから決して飽きることがない。大人向けの骨太な漫画もあるもんだなと感心しました。
感情を知る
マイペース過ぎて他人の感情どころか自分の感情もよくわからないフリーレンが、かつての仲間の言葉を思い出したり、新たに旅を共にする仲間との交流で少しずつ感情を知っていきます。
こう書くと何だか「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」みたいな感じですが、そこまで重い感じではなく、フリーレンは単に飄々としてマイペースなだけ、というのが微笑ましいところです。
絵について
漫画における「絵」の要素は、個人的にかなり重要なポイントになっていて、絵がいまいちだと全然物語に入っていけなくなります。しかし葬送のフリーレンはマジで絵がいい!
まずフリーレンが可愛すぎ。ツインテールだから可愛いってのもあるけど、目がすごくいいんだよね。エルフ独特の少しつり目で切れ長な目が特徴です。引き込まれそうな綺麗な目です。それが外見的に小さくて可愛らしい容姿と相まって、見事なキャラクター像になってます。
フリーレン以外だと、弟子のフェルンも可愛い。サラサラのストレートのロングが特徴で、黒髪ロング好きは要チェックです。フェルンは、ギャグシーンで時々他人を汚いもののように見ることがあったりしてなかなか面白いキャラクターです。
まとめ
というわけで、「葬送のフリーレン」という漫画を紹介しました。
さすが2021年のマンガ大賞で大賞を受賞しただけのことはある作品でした。久々に買って良かったなと思った漫画です。

マイペースなフリーレンの旅物語を見たい人は、絶対にオススメです!
ではまた!