当ブログも開始から5年ほど経過しました。大量に記事を書くというスタイルではないので、この年数にあまり意味はないのかもしれませんが、それでも5年という期間は割と長いと言えるでしょう。
そんな当ブログですが、去年(2021年)の中頃からブログの更新頻度を月1回程度に落としました。
元々このブログは収益を生み出すことで自分がサラリーマンを辞めるきっかけにしようと考えていたのですが、5年ほど続けた結果、どうやらちょっと無理そうだということになり、これ以上リソースを注いでもリターンは見込めないと判断して更新頻度を減らしました。自分的には大きな方向転換です。
今回は、ブログの展望と方針について、なぜこれ以上ブログにリソースを割くことをしないのか(はっきり言えば収益化について半ば撤退気味なのか)について話してみたいと思います。
ブログはオワコンなのか
始めに、私はブログの価値を「自己表現」と「収益」の両方の観点から見ています。その上で、5年ブログを続けたことで最終的にこれ以上リソースを注ぐのは割に合わないと判断しました。つまり、強い言い方で言い換えれば「個人的に自己表現と収益の両面からブログはオワコンであると判断した」ということです。
以下、なぜそう思うに至ったのかをざっと挙げてみます。
自己表現の手段としてのブログの価値の相対的低下
一昔前は自己表現の手段としてブログは有力なものでしたが、現在はYouTube、Twitter、TikTok、小説家になろう、pixivなど、表現方向の違いに応じて様々な自己表現の場があります。今から20年ほど前、SNSもなかった時代には、ブログも自己表現としての価値がありましたが、現状の多種多様なサービスを見ると、自己表現としてのブログの役割は相対的に下がったのは間違いありません。
情報の受け手側から見た場合のブログの価値の相対的低下
自己表現をする発信者側から見れば、上記のようにブログの価値が下がったのは間違いないですが、情報の受け手側にとってもブログの価値は相対的に下がっていると言えます。受け手側とブログを繋ぐ橋としての役割は検索エンジンがその大半を担っていますが、近年は受け手側が情報を取得しようとする場合に検索エンジンを使わないケースが増えています。たとえば、YouTube検索するケースや、Twitterでニッチかつ即時的な情報を検索するケースが増えています。つまり検索エンジンで辿り着くブログの存在というのは、数ある検索方法のなかの1つに成り下がったということです。
ただし、発信者側のブログの価値はかなり下がったのに対し、受信者側のブログの価値の低下はそれほど大きくないです。未だに検索エンジンから調べ物をする人は多いので、今後しばらくは価値が大きく下がることはないでしょう。あくまでじわじわと下がるという感じです。
相対的価値の低下が自己表現と収益を削ぐ
上記のように、ブログ作成者(発信側)と情報の受け手(受信側)の両方において、ブログの価値が相対的に低下していると言いましたが、「価値がゼロでない限りはまだまだやれることあるのでは?」という考えもあります。しかし、相対的価値が低下した中では、ブログを見てくれる人が減ります。ブログを見る人が減ると、自己表現の場として意義が薄れるし、それに連動して収益も減ります。
ブログとエンタメは組み合わせてはいけない
「ではブログにもっとエンタメを取り入れたらどうだ?」という考えもあります。つまり発信者の個性が出るような書き方、たとえばヒカキンのように「ブンブンHello,YouTube!」みたいに、ひと目見てその人とわかるような要素を入れるとか、語尾に「ニャ」を入れることで、人のフリをした猫がブログを書いているという体にするなどです。エンタメは芸能と言ってもいいかもしれません。
私もこの考えに一時期取り憑かれてて、過疎ってるブログはエンタメがないからだよ!と思い込んでいた時期がありました。しかしですよ、ブログにエンタメって必要でしょうか?エンタメ要素ゼロである必要はないし、むしろ多少はあってもいいと思いますが、エンタメを前に押し出す必要はないでしょう。
ブログの主な入口は検索エンジンです。検索エンジンから来る人はエンタメを求めてません。単に情報を求めてるからです。ではエンタメを求めつつ適度に情報を得たい人はどこへ行くのでしょうか。そうYouTubeです。即時性は低いものの今やかなり細かいニッチな情報ですらYouTubeで見れてしまいます。しかも、投稿者のエンタメ要素ともに。みなさんも個性的な喋りのガジェット紹介チャンネルとか見たことあるでしょう。動画の世界は競争が厳しいので残っているチャンネルはもの凄く洗練されていて、適切な情報が含まれるのは当たり前。その上でいかに面白くor滑らかに話を繋ぐかが動画の価値を決めるところまで来ています。
価値の高い情報を出せる自信があるならどのプラットフォームでも良いですが、似たような価値しか持ち合わせてないなら、発信者が何らかの色付けをする必要があります。その色づけがエンタメです。しかしエンタメはYouTubeでやってこそ意味があり、ブログとエンタメは非常に相性が悪いのです。
YouTubeで人気者の投稿者が運営してるブログって見たことないですか?YouTubeで人気者の動画はエンタメの力を借りて凄いオーラがありますが、エンタメが入ってないブログはスカスカです。ほぼ見る価値ありません。いかにYouTubeのエンタメ要素が強力なのか分かります。
そもそも馬車馬のように商品紹介したいか?
ブログ運営では「更新頻度を上げるべき」とよく言われますが、そもそも情報をひたすら発信し続けるのは困難です。そこで純粋な情報ではないけれど更新頻度を高くできる記事ネタは何か?と考えれば、皆行き着くところはだいたい同じです。そう商品紹介です。
しかしですよ、発信者はここでよく考えなければいけません。そもそも収益を増やすために馬車馬のように商品紹介したいですか?
大して思い入れもない商品をひたすら紹介し(その多くが企業案件)、適当にスペックを並べていく作業に、どこに面白みがあるのでしょうか。ドメインを取得してWordPressを設定するのは知的好奇心を満たすので面白い作業ですが、ブログ運営が「できる」からと言って、できることだけを拡張していては本当に自分がやりたいことはできないのです。
実は私、去年の夏頃に初めて案件記事というのを書きました。記事は当ブログにて公開されているので見ればどれかすぐ分かと思います。7000字で15,000円でした。これをやって分かったのですが、極めて仕事っぽいんですよね。いや、人からお金をもらうんだから仕事であることは間違いないし、手放しで面白いとも言えないのは重々承知してるんですが、それにしても、ブログの発信は仕事だったのか?と改めに自分に問い正した出来事でした。
確かに商品紹介や企業案件などは頑張れば何とかできることではあるのですが、昼間の仕事が嫌でサラリーマンを辞めるためにブログをやっているのに、サラリーマンとほとんど同じというのは本末転倒じゃないでしょうか。いやもちろんYouTuberにしてもイラストレーターにしてもミュージシャンにしても、仕事なので間違いなく大変なんですが、何も同じようなテイストの仕事をしなくてもよくないか?と思ったわけです。
労力の割に得られる収益が少ない
もうひとつ、ブログの更新頻度を下げようと思い至った理由がありました。それが「労力の割にブログで得られる収益が少ない」ということです。上記のように、昼間の仕事みたいにブログを書いてて面白いのか?という疑問がそもそも何故浮かぶのかというと、それは結局いい感じの収益を得られていないからなんですよね。
当ブログは1~2年ほど前に収益を公開したことがありますが、だいたい当時と収益は変わっていません。というかむしろ減ってます。全部ひっくるめて、だいたい月に5,000~10,000円ぐらいです。月に数本の記事を継続的に投入してこんなもんです。月間の投入記事が少ねえなと思うかもしれませんが、自分的にはこのぐらいが限界付近です。それでも、コロナ禍で家にいることが多くなった1~2年前には頑張って月に10本ほど投入したこともありました。しかし収益はそんなに変わらなかったです。
確かに当ブログの記事の方向性が悪いというのはあります。何故なら自分が書きたい方向で記事を書き、検索需要をそれほど重視していないからです。当ブログのアニメ記事なんかがまさにそれで、私の書くアニメ記事は実際ほとんど見られてません。それでもアニメを観た後で何か書きたくなるんですよね。まさに書きたいから書くという感じです。
しかしPV(ページビュー)を稼ぎたいなら、記事を書く前にキーワード選定しないといけないし、物を売りたいならもっと特化した内容の記事を量産しないといけない。でも自分が書きたいように書くと、PVや収益を高められない。「四の五の言わずに稼げる記事を書けばいいのでは?」という意見もありますが、どうも自分の心が動かないんですよね。
それでも昼間の仕事を全部辞めてブログ一辺倒にすれば、サラリーマンと同じぐらいの稼ぎは出せそうな気もします。でも、それだったら安定性のあるサラリーマンの方が良いよね?ってなります。ブログでぼろ儲けできるんなら頑張る価値も高いですが、ブログ環境はもはやそういう状態ではないです。自分の書きたいように書くことを曲げてサラリーマン程度の稼ぎを得ようとするのは、結局今サラリーマンやってるのと全く同じ状況ですなんですよ。安定性があるだけサラリーマンの方がましです。
「収益ばっかり見てるけど、書きたいことを書ければそれで十分じゃないのか?」という意見もありそうです。しかし、上記の「お金」を全部「自己表現」とか「承認欲求」に置き換えたら同じ事になります。つまり「一生懸命書いてもあまり見てくれる人がいない」という状況になれば、大抵の人はやる気が削がれるし心が折れます。
現状のブログを活かす
ここまでブログがオワコン的なことを散々言ってきましたが、ここからは当ブログの現実的な舵取りについて考えてみます。他の人に当てはまるものではないかもですが、当ブログの今後を考えた結果、以下のようになりました。
(1)について。せっかくここまで育てて収益の出ているブログなので、必要最低限の更新を入れながら、現状の収益を維持したいと考えてます。ただし、この程度の収益は誤差の範囲なので、もし(3)の副業活動に支障があるようなら、収益にこだわらないようにします。サンクコスト効果のせいで他の有力な活動がおろそかになるのは避けないといけないです。
(2)について。上記ではブログのメリットとして挙げませんでしたが、やはりブログは長文を書き残す場として優秀です。個人が衆目のなかでこれほど長い文章を書き残せるのは、現状ブログぐらいしかないと考えてます。自分の場合は、買って本当に良かった購入品を人に話したいとき(リアルフォース)や、アニメについてどうしても人に話したいとき(各期のアニメ振り返り)や、自分の思考をまとめたいとき(この記事)などに重宝しています。欲求の吐き出し場所としてブログは優秀なのです。
(3)について。これが最も重要ですが、今までブログにはある程度のリソースを割いてきました。昼間の仕事や家のこと(家事や育児)があるので、可処分時間はそれほど多くはないのですが、その時間の何割かを使ってブログを書いたりしていたわけです。しかし上でも書いたように、このままでは副業の柱として育つことは不可能と感じたので、今後はブログに割くリソースを他の活動に回さないといけないと感じています。そのためには、ブログが足かせになってはいけないのです。
まとめ
というわけで、ごちゃごちゃ書いてきたわりに、今後の方針は上記(1)~(3)と実にあっさりしたものになるのですが、迷いがある状態で今後の目標に向かって歩いても、道中でさらに迷い込むことになり結果的に時間がかかってしまいます。
また、これらの意見はあくまで私個人のブログの展望と方針なので、既にブログで十分な収益がある人からすれば穴だらけかもしれないし言い訳がましいかもしれません。しかし、人生においてあれもこれも成果を出そうとしても土台無理なんです。何回も人生をやり直せるならあれこれやった上で一番良さそうなものに注力するといった作戦もアリですが、我々の人生は1回きりなのである程度絞るしかないです。ただし見切りは慎重かつ大胆に。
上記のような展望と方針のもと、今後の活動に集中できるようになればと考えています。
ではまた!