
2021年秋アニメ、終わっちゃいましたねー。
今期も視聴本数は少なめだったんですが、印象に残ったアニメがあったので、それらについて話して行こうと思います。あと、期間中に見た過去作で印象に残ったアニメについても話してみます。
第1位「無職転生 ~異世界行ったら本気だす」
今期一番良かったのは、他を寄せ付けず圧倒的にぶっちぎりの「無職転生」でしょう。
自分の場合、素晴らしいと思ったアニメについては、期間中に振り返りで2回以上見ることが多いのですが(シュタゲゼロ、のんのんびよりなど)、無職転生については期間中に3回ほど見てしまいました。さらに今、娘の2周目に合わせて(娘も気に入って見ている)、自分も4周目を見てます。
さて、そんな無職転生ですが、アニメの出来がとにかく素晴らしかったです。
原作を読んだ後でアニメと比較してみると、やはりアニメーションの素晴らしさを痛感せずにはいられないですね。原作とアニメを比較して、アニメの良さが生きていた点は以下のようなところでしょうか。
ポイント1、2(オープニング曲)
OP曲は、原作のやや軽めの印象を重厚なものに作り替えるのに重要な役割を担っていたように思います。OP曲は大原ゆい子さんの作詞作曲による曲なのですが、抑揚を抑えたシリアスな声が、作中の世界に見事にマッチしていました。もちろん原作に寄せてもっと軽くポップに世界観を表現してもよいのでしょうけど、このぐらいのやや堅めの世界観が広く受け入れられて人気を博したんだと思います。自分もこのぐらいの堅さが好きですね。
そして、ルーデウス達の故郷「フィットア領」に戻った後のOP曲「旅人の唄~帰郷~」ですよ。これがまた素晴らしいんですよね。やはり変則オープニングで作中の映像と合わせてあるからか、この曲の破壊力はすごかったですね。何もないフィットア領と旅の終わりを感じさせる寂寥感が、この曲でさらに高められたと思います。
曲のアレンジは大原さんではないですが、これらの楽曲を全部作詞作曲してしまう大原さんのポテンシャルの高さに驚くばかりです。今後も目が離せないですね。
ポイント3(キャスト)
今作のキャストでは、ハマり役だったキャラクターが大勢いました。というかキャラクター自体が魅力的なので、声優さんが先なのかキャラクターが先なのかもはやわからないぐらい良かったですね。
最初に挙げるとすれば、やっぱり前世の男役の杉田智和さんでしょう。もちろん声もピッタリなんですが、我々オタクが考えるリアルの杉田さんのイメージと、前世の男が重なるという点でも適役だったように思います。
そして、やっぱりエリス役の加隈亜衣さんでしょう。今回のアニメ分だとヒロインは間違いなくエリス一択ですが、そのエリスの「元気いっぱいで暴力的で難しいことは分からない」といったヒロイン像を見事に演じきっていたように思います。エリスほんと可愛いよね、ねんどろいど買っちゃいましたよ。
あとヒトガミ役のくじらさんもいいですね。ねちっこくてアホっぽいけどいやらしくて悪そうな雰囲気が良く出ていました。あの声で女性とか、とんでもねえ…。
ポイント4(構成)
アニメに合わせた構成について、岡本監督のインタビュー(下のリンク)で、原作者の理不尽な孫の手先生と毎回シナリオの打合せをして進めたと言っています。監督がシリーズ構成を兼任しているところからも、監督自身が物語の組み立てに注意を払っていることがよくわかります。
原作ではルーデウスの成長物語を主軸にしているものの、ややとっ散らかった印象があったのですが、アニメで末節まで映像化すると大変なので、枝を切ってルーデウスの成長物語がさらにハッキリするように仕上がっていたのは、岡本監督の手腕によるところが大きかったんじゃないでしょうか。
たとえば、サウロス(エリスのおじいちゃん)の首が飛ぶシーンが「ドルディア村のスローライフ」の最後に出てくるんですが、確か原作ではこのタイミングで語られてはいなかったと記憶してます。それをあの緩い回の最後に持ってきたことで、緩急がより明確になったように思います。
ポイント5(迫力)
まず作画のレベルが非常に高いんですよね。画面に奥行きが感じられるし、キャラクターのデッサンも高水準。作画に気を取られることなく物語に入っていけるのが良かったです。
戦闘シーンで印象に残ってるのは、5話で初対面のエリスにルーデウスがボコボコにされるところ、11話の魔大陸で森に住む大蛇との戦闘シーン、21話のオルステッドとの戦闘シーンなどですね。どういった映像作りが迫力を生み出しているのか詳しくはわかりませんが(作画、構図、音、グロ表現など?)、とにかく戦闘シーンの迫力や、打撃の痛みなどがかなりリアルに伝わってきます。映像見ながら気付いたら手に汗握ってることも度々ありました。
戦闘シーン以外だと、4話の緊急家族会議の切迫した雰囲気、9話のルイジェルドの初登場シーン、16~17話の親子げんか、18話のロキシーの涙、22話のルイジェルドとの別れ、23話のエリスとの別れなどで、視聴者の心をえぐりに来るんですよね。というかほぼ全部じゃねーかというレベルで、物語に引き込まれます。
2期について
アニメの23話のCパートで意味深なシーンが登場したことや、岡本監督がインタビューで「最初から最後までアニメ化することに意義がある作品」と言ったことなどから、間違いなく2期は作られるでしょうね。
原作は25巻で一応の完結をしているらしいので(自分はまだ20巻あたり)、アニメが原作の6巻までなので、このままアニメ化を進めると、7~12巻(アニメ2期で24話程度)、13~18巻(アニメ3期で24話程度)、19~25巻(アニメ4期で24話程度)、という感じになるでしょうか。
2期が始まるのは早くても半年~1年後なので、いくら何でも待ち切れん!!ということで原作を読み始めてしまいました。(ちなみに漫画版もあります)
原作は「小説家になろう」(通称「なろう」)への投稿を発端とする小説なので、「なろう」のWebサイトで読めば無料ですが、私はkindle版(KADOKAWA MFブックス)を買って読んでます。
kindle版の原作は1冊1,200円ほどするので25冊揃えると、30,000円になってしまいますが、アニメが面白かったので原作者へのお布施という意味で購入しました。あと、kindle版は文字の大きさの調整が簡単なのと(老眼には小さい文字はつらい)、わからない語句があるとすぐに辞書で調べられるので便利です。原作には結構難しい日本語表現が出てくるので、辞書機能があると助かります。
というわけで、無職転生は自分のこれまで見たアニメの中でもトップ3に入るぐらい好きなアニメとなりました。続編も期待してます。
その他
先輩がうざい後輩の話
今期の動画工房枠でかなり期待していたんですが、思ったほど自分には響かなかったです。Twitterで見ていた頃は面白いと思ってたんだけどねぇ。個性的なキャラクター、ちょっといい話、すれ違いの恋愛など、王道とも言える展開で良いはずなんですが、逆に言うと王道の寄せ集めで薄味だったように思います。あとコミュニケーションを渇望してる人達ばかりで、陰キャの自分からすると「?」と思ってしまいました。Twitterなどで4ページで見る分には良かったんですがね。
ラブライブ!スーパースター!!
ラブライブ!スーパースター!!は、今期枠ではなく前期枠(2021年夏)ですが、今期全部見終わりました。一言でいうと「良かった!」です。
実はラブライブは今まで見たことなくて避けてるようなところがあったんですが、見始めてみると意外に良かったです。過去のラブライブと比べて、キャラクターデザインがややリアルに寄っているところも好みだったし、人数が少なめで無駄にわちゃわちゃし過ぎないところも良かったです。
あと過去のラブライブを知らないので何とも言えないですが、主人公のかのん役の伊達さゆりさん、かなりいい声ですよね。声優さんでいうと、本渡楓さんのような輪郭のハッキリした声で、センターで歌い出すとハッとさせられる魅力があります。さすがは何万人もの一般オーディションを突破しただけのことはあります。
曲も良い感じのものが多くて見終わった後もAmazon Music Unlimitedでよく聴いてます。そうか、これがアイドルもののアニメの強みなのか…。
近いうちに、これまでのラブライブも見ていこうかなと思ってます。
まとめ
というわけで、2021年の秋アニメの所感と、期間中に見た過去作アニメの所感でした。
今期は無職転生ぶっちぎりでしたね。アニメ史に残る作品になったんじゃないでしょうか。
ではまた!